明の十三陵

帰途、明の十三陵を見学した。長城からパスで一時間くらい走ったところにあった。陽炎が燃えるような春の日差しで、バスの中は眠気が出るような心地よい暖かきである。四方小高い山にかこまれた平地に出たとき、黄色い瓦を葺いた朱塗りの宮般が、あっちの山の中腹、こっちの山の麓に点在していた。宮般から宮殿まで歩けば小一時間はかかるだろう。十三陵というから十三の土鰻頭のような墓が一ヵ所に並んでいるのかと思っていたが、そうではない。またまた、中国の広さに驚いた。
パスは明の十四代万暦帝の陵の前に止まった。パスから下りると、すばやく朱塗りの楼門をスケッチした。陵と言っても宮剛胆である。万暦帝は十歳で帝位につき、二十二歳から死後のために国家予算の二年分の経費と、六年の歳月を費やして造営したのだという。
見上げるような宮殿は、浅草の観音堂より大きい。柱も床も欄干もすべて磨きあげられた石で造られてあった。それが雲一つない青空の下に、緑の模の杜の中にある。色彩的にも鮮やかで美しい。
墓室は階段を下りた地下室にあった。大きい墓室も、磨き上げられた白い石であった。棺があったと思われる真中の一段高い台の前に、大きい灯龍と大きい香蟻が一つずつ、置いてあっただけで、ほかに何もなかった。ガイド氏の説明では、一九五七年に発掘された時、副葬品の豪華さに関係者は驚
いたというが、それらは今、博物館に展示されているという。例の文化大革命の時、皇帝の遺体は悪い学生達に持ち去られ、所在がわからないということだった。
二人の皇妃も一緒に埋葬されていたというから、一夫一婦制の日本人には考えられないことであった。地上に出た時、陽は照っていたが風が冷たかった。土産売りのおばさん達が寄って来て、その中の一人が毛皮の帽子をかざし「コレ豹の皮、コレ安イヨ」というので嫁の土産に買った。日本円で幾らになるのか、数字に弱いので即座に換算ができなかったが、本当に豹の皮なら安かったと思う。
沖縄の首里の門を横に連ねたような鳥居まで一キロくらいの両側に、大きい象や、ラクダや武人、文官の石像、が並んでいた。石像の中には、首のないものもあり、まわりを鉄柵で囲んだものもある。鳥居の前に先回りして待っていたパスに乗った時、思わずほっとした。このくらいのことで疲れる
とは、やっぱり歳かと思わず苦笑した。
ホテルに帰るには少し早いというので、天檀へ回った。広大な敷地に紫の丸い屋根の上に金の宝珠を乗せ、朱塗りの柱、朱塗りの扉に金の金具が打ちつけてある三層の建物で、目が覚めるほど美しい。中は赤、紫、緑で極彩色に装飾されており、毎年皇帝が、ここで五穀豊穣を天帝に祈願されたのだという。
この高台からようやくタ請が立ち込めた北京の市街が見下ろせた。ホテルのロビlの右側に土産物の売店があった。入って見ると周囲の壁に書画の掛抽が吊してあり、真中の台の上に筆、墨、硯、七宝焼きの花瓶、椎朱の硯箱、香炉、指環、議翠のペンダント、イヤリング等が並べてある。食堂の照明は明るかったが、ロビーもこの部屋の照明も暗かった。
ヤッ君の土産に現を買おうと思っていたので、現を見た。みんな端渓である。端渓は現の王様と言われている。新しい硯が十五、六面、中古の現が五、六面あった。中古の硯の中に一面、飛び切り高い硯があった。董さんを呼びに行って見てもらった。董さんは、これから行く広州にも沢山あるが宋坑の硯はまず少ない。買うなら「これだ」と薦められた。私は董さんの言葉で安心して買った。

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